北枕に遺体を安置する理由
日本の仏教においては、死者を北枕に寝かせることが一般的です。これは、仏教の思想に基づいているとされています。
お釈迦様が入滅の際、頭を北に顔を西に向けていたことに由来します。これを「頭北面西」と呼びます。ご自宅で北向きに遺体安置が困難な場合は西向きに安置するのが一般的です。
北向き・西向きはあくまでも優先順位とお考えいただき、お部屋の状況に応じて方角にこだわらずに適切に安置することが大切です。
仏教では、人が生きている間に積み重ねた業（カルマ）によって、次の世界での生死が決まるとされています。死後の世界においては、遺族や供養者が故人を偲ぶことで、故人の業が軽くなり、良い方向に向かうとされています。
北枕に故人を寝かせることで、故人が生前に積み重ねた業を反映した霊位（りょうい）と呼ばれるものが形成されます。霊位は、故人が生前に積み重ねた業によって形成され、その人の生涯に対する評価としても考えられます。
また、北枕に故人を寝かせることで、人間の本来の姿である「無」（む）の状態を表現するともされています。仏教においては、すべての存在は仮のものであり、本来は何もない「無」の状態が真の姿であるとされています。北枕に故人を寝かせることで、この真の姿を表現するという意味合いもあるとされています。
以上のように、仏教においては北枕に故人を寝かせることが一般的ですが、宗派や地域によっては異なる習慣や規定が存在する場合もあります。
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